top of page
  • 執筆者の写真松村 蘭(らんねえ)

結成5年目を迎える女優倶楽部に聞いた 新感覚オーディオドラマ『食べちゃいたい』の掴みどころのない魅力

2021年夏、女優倶楽部が演出家の稲葉賀恵(文学座)さんとコラボレーションし、新感覚のオーディオドラマ『食べちゃいたい』に挑みます。


女優倶楽部とは、舞台を中心に活躍する才能溢れる5人の女優が自由に表現を楽しむ部活動。

愛すべき部員たちを、事前に稲葉さんから伺ったそれぞれの印象コメントと共にご紹介します。


宮澤エマ Emma Miyazawa

澄み渡っている。でも同時に闇がある。by稲葉



東京都出身。2012年にBayFM78ラジオパーソナリティとして芸能界デビュー。2013年宮本亞門演出のミュージカル『メリリー・ウィー・ロール・アロング それでも僕らは前へ進む』

のメアリー役に抜擢され初舞台を踏む。その後ラジオ、テレビ、舞台、映画など活動の場を広げ、Amazon Primeビデオ 三谷幸喜作・演出シットコム「誰かが、見ている」、NHK連続テレビ小説「おちょやん」にも出演。2022年のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」への出演が決定している。



まりゑ Marie


生粋のエンターテイナー。でも実は孤高の人。by稲葉


女優・作詞家・アーティスト・クリエイター。様々な顔を持つ。最近の主な出演は映画「すばらしき世界」、舞台『チョコレートドーナツ』三谷幸喜作演出『大地』『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』『リューン』『キューティ・ブロンド』『ジャージーボーイズ 』『エジソン最後の発明』​『歌喜劇/市場三郎〜温泉宿の恋』など。

ユニット“ファンタスマゴリック”では作詞を担当。“女優倶楽部”の広報も担当している。




関谷春子 Haruko Sekiya


聡明そして明晰。それでいて変態。by稲葉


東京都出身。シアタークリエ・オープニングシリーズ『青猫物語』(山田和也演出)でデビュー以来、商業、アングラ、小劇場、シャンソンショー等、ジャンルを問わず多くの舞台に出演。女優倶楽部では主にコーラスアレンジを担当。近年はループペダル(多重録音)を用いた演奏にも挑戦している。好きなものは、お酒と文房具と相撲観戦。

最近の主な出演作に、劇的茶屋『謳う芝浜』、『クライムス・オブ・ザ・ハート』、坊っちゃん劇場『瀬戸内工進曲』等。9月10〜12日にはリーディング・ミュージカル『CABARET』(佐藤信・演出/若葉町ウォーフ)に主演予定。



皆本麻帆 Maho Minamoto


天真爛漫。でも時に誰よりも大人っぽく艶美。by稲葉


1996年、ミュージカル『アニー』でデビュー。その後、2001年に主演アニー役を務める。最近の主な出演に舞台『FORTUNE』『ハムレット』『いつか〜one fine day』映画「ONLY SILVER FISH」、TVドラマ「24JAPAN」「真夏の少年」「セミオトコ」「ヒモメン」(EX)など。 女優倶楽部での担当は模索中。最近の趣味は山登り、激辛に挑戦、昼めし旅を観ること。




万里紗 Marissa


おろしたてのシーツのような純真さ、かと思えば大胆不敵。by稲葉



10歳の頃より演劇を始め、大学では哲学、芸術批評を学ぶ。ストレートプレイ、 音楽劇、映画、旅番組など幅広く活動。自身で執筆した作品として、『星の王子さま-Pilgrim Daughters-』『詩劇 響きと怒り』がある。代表作に、『Fly By Night~君がいた~』(演出/板垣恭一)『Op.110 ベートーヴェン「不滅の恋人」への手紙』(演出/栗山民也)など。近年では英語力を生かし、 NHK WORLD「no art, no life plus」の英語ナレーションや、トニー賞ノミネート作品 『A Walk in the Woods』の翻訳など、更に活動の幅を拡げている。


 

そんな個性豊かな5人にインタビューを実施。女優倶楽部の成り立ちから新プロジェクトに込めた想いまで、たっぷりとお話を伺いました。



仕事の枠を超えてもっと自由に、もっと面白いことを!

 

●今年で結成されて5年目を迎える女優倶楽部さんですが、そもそもの成り立ちを聞かせてください。


宮澤:今、“5年”と聞いてびっくりしちゃいました! 女優倶楽部のみんなは、私が舞台で共演した素晴らしい女優さんたち。関谷春子ちゃん、万里紗ちゃん、皆本麻帆ちゃんは、私の初舞台『メリリー・ウィー・ロール・アロング』(2013年)でご一緒させていただきました。作品が終わってからも友情が続き、さらに俳優としてとてもリスペクトできる3人でした。その後2015年にまりゑさんと『ドッグファイト』という作品でご一緒して、こちらも全く同じようなシンパシーを感じたんです。それぞれ別で仲良くしていたんですが、友達として5人で会ったらきっととても仲良くなれるだろうなと。同時に「こんなに面白くて美しくて才能に溢れる人たちと集まって、自分たち発信の何かを作れたらいいなあ」とすごく漠然とした想いを持っていたんです。与えられた仕事の中での表現だけではなく、もっと自由に、もっと面白いことをこの5人なら作っていけるんじゃないか。そういう場を作ることで、本業にもいい影響がでるんじゃないかなって。



●5人を引き合わせ、何か面白いことをしようとアイディアを出した宮澤さんが部長になったんですね。発足当初はどんな活動を?


宮澤:こういうときに概要を説明するためだけに部長になっているようなものです(笑)。最初は“完全趣味ベース”というのをキーワードに、本業に大きな支障を与えない範囲で活動しようというゆるーい発足の仕方でした。基本の軸はオンラインでクリエイティブなこと。例えばYou Tubeで公開している即興芝居『おんなのうらはら』や『歌ってみた』シリーズがあります。ただYouTube、Instagram、Twitter、これらを掛け合わせたときに「私たちの活動はどこにあるんだろう?」という模索も長く続きました。その間も活動を続けられたのは、友達であり互いにリスペクトし合う5人が集まっていたからなのだろうと思います。




部長、広報大臣、音楽の女神、癒やしのアイドル、起業家!? 5人の役割

 

部長の宮澤さん以外のメンバーの役割を教えてください。まりゑさんは「広報大臣」に任命されていらっしゃいますね。


まりゑ:なんで“大臣”なのかはわからないんですけど(笑)。とにかく日々携帯にかじりついていて、携帯とお友達ですね。YouTube、Twitter、Instagram、それぞれにログインして、いろんな穴蔵に潜り込んでいる感じの生活です。他にも動画編集など、宣伝系は全部私が担当させていただいております。


宮澤:この部活が始まった当初は、あまりSNSにアクティブではない5人でした。そういう意味で、広報大臣のスキルアップが私たちを支えてくれています。


まりゑ:部長からのお言葉、ありがとうございます!



●関谷さんは“音楽の女神”と称され、コーラスアレンジをよく担っていらっしゃいます。「音楽担当」ということで合っていますか?


関谷:「音楽の担当」と言われていますが、これは偶然なんです。『歌ってみた』シリーズの一発目で、たまたま私が楽曲を持ってきてディレクションしてしまったことがきっかけでズルズルと。なので音楽大臣ではないです。


万里紗:いやいや、私たちがおんぶに抱っこではるちゃんに頼っている部分は大きいよね。


宮澤:はるちゃんは“大臣”とか位を飛び越えて、女神なんですよ。


関谷:私たちって、担当が固定化しているようでしていないのがいいところだなと思っていて。曲に関しても、みんなにアイディアをもらってそれにリアクションして探っていくということが少なくないんですよ。



●女優倶楽部のオフィシャルサイトを拝見したとき、皆本さんのプロフィールに「女優倶楽部での担当は模索中」という記載があったのですが・・・・・・。


皆本:そうなんですよね〜(笑)。私は女優倶楽部のファンなんです。


まりゑ:いや部員だよ(笑)。


皆本:担当は何だろう? 盛り上げ役というか、うーん、盛り上げ役でもないか(笑)。



個人的には、皆本さんはそこにいらっしゃるだけで空気がふわっとして、癒やし担当のように見えます。


皆本:ありがとうございます! それでいかせてください!(笑)


宮澤:部長の勝手な目線で言うと、麻帆ちゃんが持つ空気感って唯一無二で。声にも透明感があるし、見た目のふわふわ感と中身のおっさん具合のギャップも含め、私たちの癒やしのアイドルだと思っています。女優倶楽部はアイドルではないんですけど(笑)、写真で麻帆ちゃんが真ん中に立ってくれるとガールズグループ感がすごく強まるなあと思っていて。部長としては麻帆ちゃんセンター推しでいきたいんです(笑)。実はお金周りの業務も担ってくれていて、うちの大蔵大臣でもあるんですよ。


まりゑ:癒やしとお金という、両極端な(笑)。


皆本:みんなの力になれるように頑張って動いていきたいなと思っているので、よろしくお願いします!




それでは5人目、万里紗さん。ご自身で思う女優倶楽部での役割は?


万里紗:制作、ですかね。元々人を引き合わせるのが好きだったんです。活動初期に女優倶楽部とカメラマンのJ.K.Wangさんが合うんじゃないかなと思って紹介したのが始まり。今回の演出の稲葉賀恵さんやカメラマンの柴田愛子さんもそう。そういう起点がありつつ、去年自分の企画(『詩劇 響きと怒り』)に取り組んだことで、女優倶楽部で新企画が出たときに何をすればいいのかということがよく見えてきたんです。これまでは結構はるちゃんが制作を担ってくれていたんですけど、彼女の負担をもう少し減らせたらと思って、今回はガッツリ制作業務をやらせてもらっています。


宮澤:万里紗が言う通り、これまでコラボレーションしてきた方々に繋いでくれたのは彼女なんです。そもそもめちゃくちゃ顔が広いし、「そんな面倒くさいことをやってくれるの!?」ということを万里紗は男気一つで「やっときます!」って言ってくれるんです。しかもコロナ禍の1年で本当にサバイバル力を身に着けていて。制作というと漠然としているかもしれ


ませんが、プロジェクトの一番大事な軸であり、縁の下の力持ち。プロデューサーであり、フィクサーであり、キャスティングディレクターであり、あまりにも多くのことを担ってくれていて・・・・・・起業家みたいな感じ!


万里紗:いやいや、めっちゃかっこよく言ってくれてるけど(笑)。


まりゑ:本当に台風の目みたいな人だよね。万里紗を中心に前に進んでいる感じ。


万里紗:良く言えばそうだけど、時々女優倶楽部のことが好き過ぎてチーターみたいに暴走しちゃうんです。だからよくはるちゃんに「それでいいのかな? 万里紗よく考えてみて」って止めてもらいます(笑)。クリエイティブな側面での感覚が遠くはないけれど自分にはない発想を持っている4人だから、話していて楽しいんです。考え方は違っても深く共感できるということもたくさんあって、そのために頑張ろうっていつも思っています。




人と人との繋がりによってできている、新プロジェクト『食べちゃいたい』

 

『食べちゃいたい』でコラボレーションする稲葉賀恵さんとの出会いや、作品が決まるまでの経緯を教えてください。


万里紗:賀恵さんとは、2年前にワークショップでお会いしたことがありました。その後も別のワークショップで偶然一緒になって、帰りの電車でバッタリ会ったんです。そこで「私、まりゑさんっていう人の動画を見ているんですけど、女優倶楽部って何ですか? すごく面白そう」って話しかけてくれたんですよ。しかも賀恵さんはミュージカルをずっとやりたいと思っていたそうで「何よりいいなと思ったのが、みなさんが自分たちで楽しそうにやっているということ。そういうところに私も関わりたいんです」とおっしゃってくれて。だから私も「じゃあ再来週にでもミーティングやりましょう」と。


皆本:うわ〜早い〜!


まりゑ:台風の目は早い! 本当に素晴らしい。


万里紗:そこからはトントンでした。1回目の会議で作品まで決まっちゃったもんね。


まりゑ:賀恵さんからは「声で表現する、かつ官能的なものをやりたい」というオーダーをいただいて。


万里紗:「私、エロいものやりたいんです」って言ってた(笑)。


まりゑ:そしたらはるちゃんがポロッと「この作品はどう?」って『食べちゃいたい』を挙げてくれたんだよね。


関谷:途中で麻帆ちゃんが「レシピを読むだけでも面白いかも」って話していて、そこから食べ物の話になって、ふと『食べちゃいたい』のことを思い出したの。


万里紗:『食べちゃいたい』は作品のスケールが遠過ぎないところも良さだよね。佐野洋子さんの作品は既に舞台化されているものもあるし、私たちの感覚にもフィットする。もしこれが海外の有名な詩集とか、トニー賞を受賞した戯曲とかだったら難しかっただろうなと思う。


関谷:今回の企画、最初に万里紗が版権を取ってくれたのも大きくなかった? それがきっかけでプロジェクトが一気に具現化する方向になった感じがしました。


万里紗:そうだね。今まで女優倶楽部の活動はフリーの領域でやっていたから、大きなジャンプはしにくかったんです。今回は一段回上の企画を実現できたことで、みんなの自信にも繋がって良かったなと思っています。



●現時点(2021年8月上旬)で、みなさんの収録は終わっている状況ですか?


万里紗:はい。4人の男性ゲストの収録はこれからですが。



●なるほど。ちなみに男性ゲストは一体どんな方々なのでしょう?


万里紗:4人共イイ男です! それぞれみんなの知り合いだよね。


まりゑ:何人も候補を出して、「この人でいこう!」と勝手に私たちがラブコールを送ったメンズたちです。



女優倶楽部からラブコールがきたら、そりゃあ受けますよね。


宮澤:それで言うと、私たちが今までやってきたことっていわゆるパッションプロジェクトなので、友情出演なんです。だから缶ビール1本と「私たちと一緒に楽しくお喋りできるよ」くらいの報酬しかなくて(笑)。楽しそうにやっている私たちを面白がって協力していただくことがほとんど。特に舞台関係の横の繋がりですごくサポートされているんです。今回も、人と人との繋がりによってできている作品だなと感じています。




「野菜や果物の中に、性に関するグチャッとした感情が詰まってる」(宮澤)

 

●みなさんがそれぞれに感じた『食べちゃいたい』の魅力を教えてください。


まりゑ:まず、誰がどの短編を読むかの割り当てを賀恵さんがしてくださったんですが、それがまるで占い師みたいで! 私はZoom越しでしかお会いしていなかったのに「なるほど私にこのエピソードなのか」と思えるような短編を選んでくれました。野菜や果物が主人公の話なんですけど、結構自分に重ねて読めるようなところがあるんです。収録では自分がその野菜になったつもりで読んでいて、すごく不思議な気持ちになりました。普通の官能小説やオーディオドラマにはない、初めての体験ができるんじゃないかなと思います。


万里紗:私も読んでみてすっごく共感しました。野菜や果物から物語を想像するのって、キャッチーな面もあると思うんです。例えばイチゴだったら甘酸っぱい恋の話、クルミだったらほろ苦い大人の恋愛の話かなとか。でも『食べちゃいたい』は「そこまでいっちゃう!?」みたいなところまでいくんですよね。初めての性体験が、女性の人生や価値観の色んな部分に影響を与えているのを感じました。今まで聞いたことのないみんなの声をたくさん聞けたし、何より衝撃的だったのは、この5人ってこんなにコンプレックスの塊だったんだなっていう(笑)。みんなのことがさらに愛おしくなりました。


皆本:本当にその通り! 今まで聞いていたはずの5人の声なのに、デモ音源を聞いてみたら知らない人たちの声になっていて、すごく新鮮に感じました。何度も読み直したくなる、聞き直したくなる不思議な作品。視点が定まらないというか、思いもよらぬところに連れて行ってくれる感覚がありました。まりゑちゃんも話していたけど、賀恵さんって本当に占い師なのかなって。原作の『食べちゃいたい』には40くらいの短編エピソードがあって、今回はその中から7つに絞って私たちに配役してくれたんです。たった1回のZoom会議で「一体何を見抜かれたんだ!?」と思うような配役(笑)。それがすごく面白かったですね。


宮澤:この作品に取り組んだ時期は、私はなかなかZoom会議に参加できなかったんです。でも初めて『食べちゃいたい』を読んでみたときに、なぜこれに決まったのかがすぐにわかるくらい作品そのものが魅力的で。題材としてはかなり色っぽくてセクシャルな部分もあって、野菜や果物の中に性に関するグチャッとした感情が詰まっています。実は女優倶楽部は、これまで性的な匂いのする作品ってやってこなかったんですね。でも4年間活動してきてみんなが20代から30代になって、しかも今回は女性の演出家さんを迎えてということで、何の抵抗もなくセクシャルな部分に冒険することができました。私の場合はすごくSっ気が強い感じに仕上がったと思います(笑)。自分の中にある経験したことのない何かを呼び起こされる、そんな感覚がありました。


関谷:みんなが全部魅力を語り尽くしてくれちゃった! 私はこの作品をやって良かったなあって今すごく嬉しくて。今回、作品の持つ謎めいたところやカオスなところをわりとそのまま残しているんです。余白や遊びの部分がすごく多いので、そこが読んでいて楽しかったし怖かったところでもありました。この作品、性的なワードは全然出てこないのに何でこんなにみんなが「エロい」と感じるんだろうってずっと考えていて。野菜や果物たちって、自分から何もしないんですよね。剥かれるなら剥かれるまま、切られるなら切られるまま、茹でられるなら茹でられるまま・・・・・・ずっと縛られて制限された状態なのに意思を感じたり、自由や喜びが生まれてきたり、多分そこがエロいのかなあ。何の先入観もなく飛び込んで欲しいという想いが強いですね。作品に触れたみなさんがどういうリアクションをしてくれるのか、すごく楽しみです。



●お話を聞けば聞くほど、どんな作品なんだろうと想像が膨らみます!


宮澤:ストーリーがあってないようで、キャラクターがあってないようで、そんな不思議な世界観だからこそ、女優倶楽部を知らない人にも楽しんでいただけるんじゃないかなと。私たちが今までやってきたプロジェクトって、ミュージカルが好き、舞台が好き、この5人の中の誰かのファン、そういう形で観ていた方が多かったと思うんです。今回のリーディングドラマでは、最もフラットな状態で作品と私たちの声の表現を感じてもらえる。そういう意味ですごく新しいので、先入観を持たずに楽しんでもらえる作品になっているんじゃないかなと思います。



●最後に、これまでの女優倶楽部の活動を振り返って想うことを教えてください


宮澤:女優倶楽部発足当初から、商業演劇界はお客様の多くが女性であり、どうしても男性主軸なところが大きい面があると感じていました。例えば私たちのように舞台をメインに活動している女優5人だけで注目してもらうことって、すごく難しいと思うんです。でも、私たちが面白いと思って好きなことを突き詰めていったときに、心意気一つで協力してくださる方がなんと多いことか! やりたいと声を上げさえすれば、信頼できるメンバーが集まって、賛同して協力してくれる人たちがいるということを身を持って実感した4年間でした。昔、企業の社長さんにインタビューする番組に携わっていたときに聞いて印象的だったフレーズで「何をやるのかは大事じゃない。誰とやるかが大事なんだ」という言葉があります。女優倶楽部には、いつか私たちだけで舞台を作るという大きな夢があります。その夢を叶えるまでの道中を楽しむためにも、自分たちの好きなものを信じていけば、それが点と点になって自ずと繋がっていくような気がしています。この5人で一緒に活動できるということが、それだけで私にとっては宝物のような時間なんです。




《 Profile 》


女優倶楽部

女優たち5人による「大人の部活動ユニット」女優倶楽部。宮澤エマを部長に据え、関谷春子、まりゑ、皆本麻帆、万里紗の総勢5名の女優たちが「女優が主軸になって、やりたいことを好きにやる」“部活動”精神をモットーに活動。ミュージカル曲や洋楽をカバーする「歌ってみた」動画や、トーク&歌番組『five.-いま伝えたい5つのコト』(Theatre at Dawn)の配信など、ウェブ媒体を活用し、自由な表現を発信中。




♦︎配信概要

オーディオドラマ「食べちゃいたい」

原作 : 佐野洋子

演出 : 稲葉賀恵(文学座)

出演 : 関谷春子、まりゑ、宮澤エマ、皆本麻帆、万里紗 ほか豪華男性ゲスト


配信日程 : 2021年8月31日(火)17:00から11月7日(日)24:00まで YouTube にて毎週配信


女優倶楽部 公式YouTubeチャンネル : https://www.youtube.com/channel/UC9decfuPTEF6rOctRciJC_w



写真提供:女優倶楽部

 

執筆者:松村 蘭(らんねえ)


演劇ライター。1989年生まれ。埼玉県出身。青山学院大学国際政治経済学部卒。出産を機にIT企業を退職し、ライターへ転向。仕事のお供はMacBook AirとCanon EOS 7D。いいお芝居とおいしいビールとワインがあるところに出没します。 Twitter:@ranneechan





bottom of page