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樋口麻美×熊本亜記 「ミュージカルの一曲一曲が人生。」



ミュージカル界で活躍されている俳優、樋口麻美さんと熊本亜記さんは、いずれも劇団四季で樋口さんは『マンマ・ミーア』『アイーダ』『ウィキッド』など、熊本さんは『ライオンキング』『キャッツ』と様々な大役を務めてきた実力派。非常に仲のいい二人ですが、実は共演したのは『コーラスライン』の一作だけとか!そんな二人がどのようにして仲を深めていったのか、そして今回『MUSICAL SHOWBOX』で共演する想いを伺ってきました。



お二人の出会いはいつ頃ですか?


樋口:2006年だから15年前くらい?


熊本:そうか。私がまだ研究生を卒業した頃だった。



●二人の話し方を聴いていると、どちらかというと熊本さんのほうが先輩みたいですね(笑)。


熊本:あはは。私、遠慮しないんで(笑)。



で、樋口さんと熊本さんは在団中はいわば親と子みたいな関係だったんですよね?


樋口:ええ。浅利慶太先生がある時、「新しい(『ライオンキング』の)ナラ役を作ろうと思っているんだけど、その候補の面倒を見てやってくれ」って熊本さんを連れてこられたんです。その時第3稽古場という小さい稽古場で歌を聴いたのが初めてでした。

その流れでそのまま稽古に突入したんですが、彼女がする質問って作品や役の「核」をついてくるようなものだったので、「ここが分からない、自分はこう思うんだけど」と自己分析したうえで質問してくるのでまず凄いなって思いました。普通の子なら「ハイ、わかりました」って答えそうなものですが。それがきっかけで皆も作品や役についてより深く語り合う場が作れたというくらいいい意味で異質な存在でした。


熊本:その後お蔭様でナラ役でデビューしたんですが、踊りの振りとか本物のナラの動きを教えてもらえ、って浅利先生に言われて麻美さんについたんです。なんといってもオリジナルの動きですからね。繊細なところまでしっかり教えていただいて。


樋口:私は振付家から踊りを直接教わったので、それを次の世代に伝承するつもりで教えていたつもり。でも受け取る側の個性で少しずつ変化していきがちなので、浅利先生からしっかり見てやって、と言われてその言葉通りやっていましたね。


熊本:オリジナルキャストの麻美さんに、ディズニーが求めている振りを直接伺って活かしていく状態だったのですごく新鮮だったし、何よりも美しいし、大大先輩だったので、こんなトップの人と同じ役ができるなんて、って思いました。



その後月日が流れて最初で最後の共演が『コーラスライン』だったと。


熊本:7年後ですね。


樋口:その間、更衣室で一緒になる事はあったけど、ご飯に行ったりとかはなかったよね。


熊本:麻美さん忙しかったから。でお互いロングランの作品が多かったのもあって、ロッカーでちょっと朝会うくらいだったなあ……しゃべったことありましたっけ(笑)?


樋口:記憶がない!その後『コーラスライン』であまりに急接近したからかそこに至るまでの記憶が飛んじゃってるくらい!


熊本:朝から晩まで一緒にいて移動も一緒、舞台が終わってご飯食べるのも「どこ行きます?」って声かけあってた。


樋口:一人になるのは寝る時くらいだったかな。



さて、その『コーラスライン』ですが、振り返ってみてどんな思い出がよぎりますか?


樋口:この作品は大好きだったのでずっと観ていましたが、あそこまで大変だとは思わなかった!「立っている事」が特に!あのステージのライン上に立ち続ける事がどんなにしんどいか。自分がスポットライトを浴びている時“じゃない時に”ずっと役として立ち続けることが。


熊本:立ち位置が端っこだと顔の向きが常にセンターを向いていないとならなかったりするので毎日首回りがバキバキになってたし。


樋口:また2時間で休憩なしだったからね。観ているお客さんにはその苦しさが伝わってないと思うなあ(笑)。





退団後、外の世界に出てみて気づいた事ってありますか?


樋口:本当に厳しく育てていただいたなあって思いますね。あれより厳しい社会ってないと思いますね。教育・運営すべてがトップオブザトップ(笑)。


熊本:外に出て様々な現場を経験しましたが、あれ程緊張感のある現場はないですね。でも言い方を変えるならいい意味で守ってくれる場でもありましたね。自分が調子悪い時は誰かしらがすぐ代わりを務めてくれるし、その逆もあり。それで皆が同じ方向を向いている劇団でしたから。あの緊張感と充実感はなかなか外の世界では味わえないなって思います。



●今でもときどきあの頃に戻ってみたい、って思う事はありますか?


樋口(首をふる)でも今回のライブで歌う曲を練習しようと当時の楽譜を見直すと、浅利先生からいただいた様々なダメ出しが全部書いてあって、それを見ると当時の記憶が雪崩のように想い浮かびますね。


熊本:私もあの頃に戻るのは無理だなあ。20代、30代だったからこそ出来たって思いますね。でも辞めた事や辞めるタイミングに悔いはないですね。



さて、今回レストランという独特の雰囲気の中でライブを行う事になりますが、お気持ちはいかがですか?


樋口:何より熊本さんと一緒にできる事が嬉しいです!また他の方々とも久しぶりですので、もう同窓会という感じになるかと。苦楽を共にした戦友たちと一緒に出来るという事がね!ミュージカルの曲って一曲一曲が人生のようなもの。浅利先生からどういう精神で歌えばいいのかを徹底的に叩き込まれた世代なので、そのメッセージを仲間たちと一緒にお客様に届ける事が出来るのが嬉しいです。


熊本:「MUSICAL SHOWBOX」は幕の内弁当みたいなもの。その一品一品がどれも豪華だし、美味しい。またいちばん仲のいい麻美さんと共演できる事なんて、ありそうでなかなかない機会ですから。


樋口普段は芝居のことなんかをざっくばらんに語り合っているのに、いきなりきれいな衣裳を着て歌を歌うってのもなかなか恥ずかしいんですが(笑)。


熊本:今、こう写真を撮られている時もどこかよそよそしくなっちゃって(笑)家族と一緒に芝居に出るみたいな恥ずかしさがあるんです(笑)。身内感からくる照れですね。



セットリストもまたなかなか懐かしい物となっていますね!


熊本:本当に!いっそお客として聴きたいくらい!


樋口:お客様が聴きたいと思っている曲を歌わせていただける、それが何よりもありがたいですね。こんな機会をいただける事に感謝しながら楽しく歌いたいです!



《 Profile 》


樋口麻美 (ひぐち あさみ)


幼少より児童劇団でCMや舞台に出演、劇団四季在団中『ライオンキング(ナラ役)』『マンマ・ミーア!(ドナ・シェリダン役、ソフィ・シェリダン役)』『キャッツ(ジェリーロラム=グリドルボーン役、シラバブ役)』『アイーダ(アイーダ役)』『ウィキッド(エルファバ役)』『ウェストサイド物語(アニタ役)』など、タイトルロールや真のあるヒロインと四季作品に置いて出演作品数は多岐にわたる。その伸びやかな歌声とダンスに定評があり、LIVEでのゲスト出演も多い。






熊本亜記 (くまもと あき)


学生時代に吹奏楽にてオーボエ、カラーガードを学び、高校時代にはグランプリを獲得。劇団四季入団後『ライオンキング(ナラ役)』で初舞台。その後『コーラスライン(ディアナ役)』『キャッツ(グリドルボーン=ジェリーロラム役)』に出演、⼒強い歌唱と演技⼒には定評があり、退団後はMCやLIVEと活動をひろげている。







◆俺の present 『MUSICAL SHOWBOX』イベント概要

主催: 俺の株式会社

協力: 株式会社アミューズ

会場: 俺のGrill東京

東京都千代田区大手町1-7-2 東京サンケイビル地下2階

https://www.oreno.co.jp/restaurant/grill_bakery_otemachi

公式Twitter : https://twitter.com/MusicalShowbox

チケット料金 : 全席指定22,000円(全席指定・税込)

◎原価割れの飲み放題付き特製コース料理

◎俺のBakery特製「MUSICAL SHOWBOX」刻印入り食パンお土産付き

出演者 : (男女別/敬称略)

     Actor:宇都宮直高、金 すんら、坂元健児、柳瀬大輔、 彩吹真央、彩乃かなみ

     木村花代、熊本亜記、五東由衣、鄭雅美、樋口麻美、雅原慶

     伴奏・音楽アレンジ:倉沢大樹

     音楽監督:塩田明弘

     MC:荘口彰久

公演期間 : 2021年3月19日(金)~21日(日)、26日(金)~28日(日) 【全10回公演】

<公演スケジュール>


1st week:2021年3月19日(金)、20日(土)、21日(日)

[1st.show] 開場12:00/開演14:00 [2nd.show] 開場17:30/開演19:00

出演者(男女別:五十音順/敬称略)

金 すんら、坂元健児、柳瀬大輔、彩吹真央、彩乃かなみ、木村花代、五東由衣、雅原慶


2nd week:2021年3月26日(金)、27日(土)、28日(日)

[1st.show] 開場12:00/開演14:00 [2nd.show] 開場17:00/開演18:30

出演者(男女別:五十音順/敬称略)

宇都宮直高、金 すんら、柳瀬大輔、熊本亜記、鄭雅美、樋口麻美、雅原慶


★チケット情報

https://ticket-every.jp/all/musicalshowbox-02atf


執筆者/こむらさき


演劇・TV番組・映画・音楽など、いいものは全力でオススメしたい雑食フリーライター。「すべての沼の住人に幸せを届けたい」をモットーにイープラスSPICE、NorieM.jp、演劇ぶっく、演劇キックなどを中心に多数執筆中。