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執筆者の写真theatreatdawn

【イベントレポート】『伊礼彼方の部屋 vol.14 〜中井智彦×藤森蓮華×MARIA-E×伊礼彼方〜』――合唱に身を捧げたボヘミアンズと貴族の栄光への道――



毎回大好評の生配信トークイベント『伊礼彼方の部屋 vol.14〜中井智彦×藤森蓮華×MARIA-E×伊礼彼方〜』――合唱に身を捧げたボヘミアンズと貴族の栄光への道――が、2024年7月19日(金)夜に開催されました。今回のメンバーは、同月、フジテレビにて放送された『オールスター合唱バトル』で「ミュージカル合唱団」として出場し、リーダーの伊礼さんと共に圧巻のパフォーマンスをクリエイティブ面で支えた中井智彦さん、藤森蓮華さん、MARIA-Eさんの3名。帝国劇場で上演中の『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』でも共演中の皆さんですが、今回は合唱バトルでどのように優勝を勝ち取ったのか、TVでは放送されなかった裏のウラまでを語り尽くした<異例な回>となりました。


合唱バトルリーダーの重圧と伝説のスピーチ


『オールスター合唱バトル』は、芸能界を代表する歌唱力自慢の芸能人たちが、20人1組のチームとなり、“合唱”で真剣勝負を繰り広げる歌の団体バトル・バラエティー。3回目の開催となった 2024年7月放送回に「ミュージカル合唱団」が初参戦。見事優勝を飾り、大きな反響を呼びました。まずは伊礼さんがこの合唱団のリーダーを務めた経緯のお話からスタート。伊礼さんは「すべてお膳立てされたところで歌うバラエティーだろう」と当初は簡単に考えていたのだとか。


「私もまさかすべて自分たちで演出するとは思っていませんでした」と続けたのは、伊礼さんとは共演歴も多い MARIA-Eさん。対して、中井さんは、以前からミュージカルチームが合唱を作ったらどうなるだろうと思っていたそうで「声がかかった時にはテンションがあがりました」と前のめりだったことを振り返ります。


伊礼さんがSNSに「大変なお仕事を引き受けてしまった、、、」とポストしたのは、『オールスター合唱バトル』がその大半を自分たちで作り上げる、文字通りガチなバトルだと知った日の夜のこと。翌朝、メンバーに次々に電話をかけ、意志を確認しあったのだそう。この時からリーダー率いる「ミュージカル合唱団」の熱い戦いは始まっていたのです。



『オールスター合唱バトル』の審査はずばり「人間の感情をどう揺さぶるか」が基準。そのための秘策が役割分担でした。音楽構成を中井さん、ステージングを蓮華さん、高音パートのリーダーと衣裳をMARIA-Eさんが担当。蓮華さんは、「ミュージカルって突然歌い出すというイメージを抱いている人も多いから、テレビで発信してさらに誤解を招いたらどうしようと実はプレッシャーでした」と告白。


そんなプレッシャーもやる気に変えたのが、「この合唱バトルでミュージカルのイメージを変え たい!」と熱弁した様子がSNSでも切り取られていたリーダーからのメンバーとスタッフに向けた伝説のスピーチです!



「あの15分スピーチで皆の心が一つになりましたよね、伊礼さん流石!!」と中井さん。始まりの話から一息ついたところでようやく4人で「優勝おめでとう」の乾杯です!


「歌えんのか?」と挑発された気がした



伊礼リーダーの熱さがわかるエピソードは続きます。本番で披露する2曲を仕上げるために提示された練習時間はたったの4日間。優勝を目指すにはどう考えても足りないと、練習日数を急遽増やすことに。それに応えたチームスタッフの様子を「普段のバラエティー番組のつくり方とは違っていた気がする」とMARIA-Eさんが思い返せば、中井さんが、「忙しいけどいいものを作りたいという意識が強いから、しっかり譜読みもしてきてくださって、皆さん、最高でした」とチーム力を称えます。


「ミュージカル合唱団」が歌ったのは、King Gnuの「白日」と尾崎豊の「I LOVE YOU」。今回の選曲は番組側の指定だったことも明かされました。意外性のある曲と、王道の名曲を提示された時には、「歌えんのか?」と挑発された気がしたという伊礼さんはやっぱり熱い!! 稽古期間中は各人・各パートへの演出やその他の調整に追われ、(『レ・ミゼラブル』の)ジャベールみたいに眉間にシワを寄せっぱなしだったそうで、「演出家って大変なんだなと改めて思った」としみじみ。


中井さんは耳にスマホを近づけて楽譜を見つめている姿が練習風景のどの写真にも写り込んでいたというほどのストイックぶり。MARIA-Eさんは、衣裳は自前だったため、チームカラーの黒で統一し、暗くならないよう生地感の工夫を協力してもらったことなど、すべてにおいてチーム力が結果につながったエピソードをテンポ抜群で披露しました。


バラエティーなのに完全にガチ!



 ⻑時間に及んだという収録本番の様子も振り返りました。当日はキャストだけで140人、参加者は他チームの歌唱も生で観覧する流れ。1曲目の「白日」でトップの得点を出したため、2曲目の「I LOVE YOU」の歌唱までは約4時間空いたのだとか。「休憩の時、トイレでンンンン〜♪と思わず発声練習しちゃってたのはミュージカルチームだけでしたよね。もうほとんど部活でした」と蓮華さん。メンバーの喉が冷えてしまっていることを懸念した伊礼リーダーが掛け合い、ほんの短い時間ですが別室で本番前の声出しをしたそう。その時の舞台裏の様子を伊礼さんと MARIA-Eさんがショートコントばりにジェスチャー付きで再現した様子も笑いを誘いました。



「バラエティーなのにガチなんだよね」と伊礼さん。「やっぱりガチっておもしろいですよね。 あの生感が舞台をやっている我々は大好き」と中井さん。「演歌チームのあの音圧は生で聞いて欲しい」、「ものまねチームは本当に素晴らしいエンターテインメントだった」、「歌ウマ芸人チームの歌はなぜか泣けちゃうんだよね」など、他チームに関する感想も話し出したら止まりません。


そのガチバトルで見事、優勝を飾った「ミュージカル合唱団」。同時優勝となった「ミリオン再 生合唱団」については、「勝ち負けじゃないってわかっているけれど、もし次回があったら単独 優勝したい」と蓮華さんが本音をチラリ。「同時優勝なのに、ミリオン再生チームはバンバンす ぐに動画あげて再生数すごいことになってるんだよ、アイツら〜」と伊礼さんも悔しさいっぱいの様子(笑)。


反響といえば O.A.時には、「まるでミュージカル!」、「観たことないけどミュージカルに行っ

てみたくなった」などのコメントが SNS を賑わせていましたが、配信時にも「白日」や「I LOVE YOU」でミュージカルを作って欲しい」という視聴者の皆さんからのコメントが多数届 いたほか、番組でミュージカル合唱団チームを担当したスタッフや合唱団の仲間からもコメントが届きました。


めざせ、単独優勝への道



『オールスター合唱バトル』でいつかコンサートを!という野望も飛び出し、それを叶えるためには、あと2回くらい「ミュージカル合唱団」チームで出演して優勝を勝ち取らねばと伊礼リーダーの鋭い目が再び光りました。「次こそライバルは自分たち。ほかのチームももっとクオリティがあがってくるのは間違いな い。見とけよ、ミリオン再生合唱団!!」と宣戦布告!?


改めて「ミュージカル合唱団」の成功はチームワークの賜物だということがわかったところで、 「これが出来たのは『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』での共演があったからですよ ね」と MARIA-Eさんがエンディングに向かって見事なパス。そう、この日も中井さん、蓮華さん、伊礼さんは、帝国劇場での公演を終えてからのトーク参加でした。皆さんが共演するミュージカルはもちろん、「ミュージカル合唱団」のふたたびの活躍も期待しながら<異例な>『伊礼彼方の部屋』はお開きとなりました。ボヘミアンズと貴族によるディープなトークは、果たして続くのか、今後もどうぞお楽しみに!



文・写真:栗原晶子


 

執筆者:栗原 晶子 エンタメ・整理収納ブレンダー/編集&ライター

舞台や映画関連のキャストインタビューや パンフレット編集に携わり、エンタメ愛を追求する日々。2021 年 10 月より人生に欠かせない エンタメと整理収納をブレンドする web マガジン「エンタラクティブライフ」を責任編集。 https://entameseiri.com/





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