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  • 執筆者の写真佐藤則子

猪塚健太主演作、シリーズ最終章となる『劇場版ポルノグラファー』が公開。ファンへの想いも語る


2020年2月26日公開の『劇場版ポルノグラファー~プレイバック~』で、主演のひとり、久住春彦を演じる猪塚健太さん。本作は、2018年にFODの配信ドラマとして異例の大ヒットを遂げ、2019年の二作目を経て、シリーズ最終章として劇場版が公開となります。撮影を振り返り、本作の見どころ、もうひとりの主人公、木島理生(竹財輝之助さん)、ファンへの想いなども語っていただきました。


数多くの舞台に出演し、近年では、ドラマや映画とマルチに活躍中の猪塚健太さん。なかでも、2018年、FOD史上最速で100万回再生を突破した大ヒット配信ドラマ『ポルノグラファー』では、純情な大学生・久住春彦を演じ、BL作品というジャンルを超えた純愛ストーリーに多くの人が虜になりました。毎話配信するごとにSNSで話題を呼び、放送終了後は“ポルノグラファーロス”に陥るファンが続出したほど。





2018年7月からFODで配信の『ポルノグラファー』(同月8月よりフジテレビで地上波放送スタート)に続き、2019年2月には二作目『インディゴの気持ち』も実写化。その後もファンの熱い想いが冷めることがなく、ついに、2021年2月26日、全三部作の最終章として劇場版が公開となりました



──本作の撮影は2020年、夏。コロナによる感染対策を徹底した中、猛暑や台風にも見舞われるなど、過酷な撮影現場だったようですが、完成した作品をご覧になった時の率直な感想をお聞かせください。


猪塚 『ポルノグラファー』作品に携わってくれているスタッフさんに、ガチでこの作品を好きな方がいるのですが、関係者のみの試写会で、周りがびっくりするぐらい号泣してくださっていたらしいんです。その話を聞いて嬉しかったし、ファンの方が観たらそうやって喜んでくれるかなって想像しました。僕は完成した作品を観た時、すごく不思議な感覚に陥りました。映画として完成したんだな…と噛みしめながら、一作目の最初の頃から、スタッフさんのことだったり本当に色々なこと想い出してました。映画のスタッフのみなさんはもちろんですし、ドラマ版でも携わってくださった方々がいたからこそ、今があると思うと、エンドロールに名前は載ってはいないですが、ドラマでご一緒したみなさんのおかげでスタートした作品が、こうしてスクリーンで観られるようになるなんて…と、しみじみと思いました。




──『ポルノグラファー』といえば、ドラマシリーズを通して、海外も含め、熱量の高いファンの方が多い印象があって、その熱量が作品を広める後押しにもなっていたように思います。エンドロールにファン全員の名前が入っていてもおかしくないような作品かと。


猪塚 たしかに “スペシャルサンクス”の部分に名前が入っていてもおかしくないぐらいの熱量はいただいていましたね。結果、その熱量がいろんな人を動かす力になっていたのは間違いないです。みなさんが映画を見た際には、自分の名前が入っている気持ちで観ていただければ、と。そして、観てくださった方は『ポルノグラファー』の広報担当のひとりとして、ネタバレにならない程度にSNSで広めて、盛り上がってくれたら嬉しいです。(笑)





──クランクインして最初に撮影したシーンを覚えていらっしゃいますか。


猪塚 映画以外の映像も同時進行で撮っていたのですが、それも含め、木島邸での団らんのシーンが最初でした。

また、わりと早いうちに、観ていただくと分かるのですが、物語の後半にある映画にとっても、春彦と理生さんにとってもクライマックスのシーンを撮影だったのですが、入ってすぐにこんなシーンを?という感じでした(笑)。竹財さんとお会いしたのも久しぶりで、いきなりクライマックス(笑)。二人の親密度を求められる場面ですが、ご時世的に、本番までフェイスシールドを着けたりと物理的な距離があるなかでの段取りとリハだったので、お芝居をしていても距離感は拭えなくて。キスをするのも、倒れて絡み合うのも、本番が始まるまでは体(てい)でしかできなかったんです。それが心の距離にも繋がってしまったみたいで、監督が、「なんか距離あるな…」と、ボソッと言ったんですよ。服を脱がせる段取りを二人で確認している時に聞こえて、わざと距離をとっていたのですが、そう見られているのかと思ったら、なんかちょっと燃えちゃって(笑)。スイッチひとつ入って、二人で「…ぶちかましましょう!」って(笑)。


──監督の何気ない一言が結果的にいいほうに向かったのですね(笑)。一作目のドラマで大学生だった久住春彦が、今作では社会人になり、木島先生との関係にも変化が出てきました。役作りや演じ分けで苦労したことはありますか。


猪塚 ドラマが終わってから映画公開までの期間と、ストーリーの経過の約2年がほぼ同じだったので、時間が経過したことによる難しさは感じなかったです。ただ、僕は大学生から社会人になっているので、そこにどう変化をつけようかなと。大学生から社会人になるって大きな変化なので、同じ役とはいえ、春彦の成長を変え過ぎず上手く見せるのには、どうしたらいいかということを考えました。ただ不思議と、少しやっていると思い出すというか、体に春彦が入っていて、自然とやれていたようなところはあります。



──撮影の合間で想い出に残っていることがあれば教えてください。


猪塚 豊橋に2週間、泊まり込みで撮影したのですが、誰かと一緒に食事に行くことができず、撮影以外では距離を取らないといけなかったので、コミュニケーションがなかなか取れなかったんです。でも、今作のストーリーとしては、結果的にそれが良かったような気がします。僕は溜まった感情をぶつけなければいけないシーンが多かったので、竹財さんとあまり仲が深まり過ぎてもな…って。竹財さんはオンオフを上手く切り替えられる方ですが、僕は不器用でそれができない。合間で仲良く話した後に、本番で本気のケンカとかなかなか難しくて(笑)。でも竹財さんがそんな僕を気遣ってくださって、撮影の合間に車で待機していたら、いらっしゃってくれて「何飲みたい?」って。僕にジュースを奢ってくれたことがあって…ちょっとキュンとしましたね(笑)。ドラマの撮影から数年経って、僕はすごくフラットでいられるようになりました。以前は竹財さんが先輩ということもあって、様子を伺いながら適度に距離感を保って過ごしていたのですが、竹財さんなら受け止めてくれる、大丈夫と認識してからは、変に気を遣わずにいられるようになって、その分、役にしっかり打ち込むことができるようになったと思います。




──最後にプライベートのことをひとつだけ。この1年、様々なことが変わらざるえ終えない状況になっています。心を整えることも大切ですが、健康のために始めたことなど朝のルーティンはありますか。


猪塚 昨年は、舞台が中止になったりと芝居の機会が減りだいぶ沈みました。どうやって気持ちを持ち直したか…、やっぱり“人”ですね。特に、マネージャーが僕の気持ちを上げてくれて(笑)。周りの人たちにかなり助けられました。コロナ禍で朝のルーティンも確立してきました。どれだけ少なくても毎朝洗濯機を回して、その間に、トイレ掃除をして、掃除機をかける。最近はさらにそこにたんぱく質が摂れるサラダとゆで卵を食べるというのが加わりました。僕の中でプチ肉体改造ブームが来ていて、一日二食だったのを三食にして、脂質を抑えてたんぱく質多めの朝ごはんを心がけています。始めて1ヶ月ぐらいですが、体の肉の付き方が変わって、血色も良くなりました(笑)。



『劇場版ポルノグラファー~プレイバック~』

https://pornographer-movie.jp

2021年2月26日より新宿ピカデリーほか全国映画館にて3週間限定上映


官能小説の「口述代筆」。奇妙な出逢いを経て恋人になった、官能小説家・木島理生(竹財輝之助)と大学生・久住春彦(猪塚健太)は、木島が田舎へ里帰りしてからも、文通で遠距離恋愛を続けていた。だが、若く将来のある久住を想うとなかなか素直になれない木島は、心ない言葉を投げかけ傷つけてしまい、気持ちのすれ違いから気まずい雰囲気になっていった。そんな折、奇しくも久住と出会った時と同じく腕を負傷した木島はかつてを思い出すように、地元で知り合った静雄(奥野壮)にペンを握らせるが、そこへ久住が現れる…。




猪塚健太


1986年10月8日生まれ。愛知県出身。舞台・映画『娼年』、ドラマ・映画「今日から俺は!!」に出演したほか、ドラマ「サウナーマン〜汗か涙かわからない〜」「地獄のガールフレンド」、ミュージカル「FACTORY GIRLS〜私が描く物語〜」、地球ゴージャス「星の大地に降る涙 THE MUSICAL」、等に出演とマルチに活躍中。


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